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リスカをやめられない私はだめ?

  • 斎藤きよみ
  • 58 分前
  • 読了時間: 8分

こんにちは。


心理カウンセラーの斎藤です。



今回は、「自傷行為」という少し重たいテーマについて書いていきます。


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もし、記事を読んでいて苦しくなってきたりソワソワしてきたら、そっとスマホを閉じて呼吸を繰り返してください。


たかが呼吸、されど呼吸です。


こんな感じで7秒鼻から吸って、1秒止めて、7秒口からストローでふーっと吹くように吐いてください。

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では本題へ入っていきましょう。



もしあなたが今、自分の体を傷つけてしまっているなら、まず最初にお伝えしたいことがあります。


それは、あなたが悪いわけではないということです。



「また切ってしまった」


「やめられない自分はダメだ」


「こんなことをする自分は弱い」



そんな風に自分を責めていませんか?


でも、ちょっと待ってください。



自傷行為は、決して「おかしなこと」でも「弱いこと」でもありません。


それは、耐え難い苦しみの中で、あなたが必死に生き延びようとしている証なのです。



このブログでは、心理カウンセラーとして、自傷行為の本当の意味と、これ以上自分を責めなくてもいい理由をお伝えします。


そして、周りに自傷行為をする人がいて戸惑っている方にも、理解のヒントをお届けできればと思います。


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そもそも自傷行為とは、


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カッターやナイフで手首や腕を切る(リストカット、アームカット)、自分を叩く、髪を抜く、過量服薬をするなど、自分の体を意図的に傷つける行為を指します。」


※リストカットを略して「リスカ」と呼ぶ方が多いです。


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「死にたいからやってるんでしょ?」


「気をひきたいだけでしょ?」



そんな風に誤解されることも多いのですが、実は自傷行為の目的は「死ぬこと」ではありません


むしろ、その逆です。



自傷行為は、耐え難い感情の苦しみから逃れて「生き延びる」ための、必死の対処法なのです。



実際、中学生・高校生の約1割が自傷行為を経験しているというデータがあります。


そして、そのうちの6割は、1週間に10回以上も自傷行為を繰り返しているといいます。


しかし、学校が気づくのはわずか3%程度。


多くの人が、誰にも気づかれず、一人で苦しみを抱えているのが現実です。


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では、なぜ人は自傷行為をしてしまうのでしょうか。


それには、いくつかの心理的な背景があります。



1.言葉にできない苦しみを抱えている


自傷行為をする人の多くは、心の中に「言葉にできない苦しみ」を抱えています。


悲しみ、怒り、寂しさ、孤独、不安、空虚感――そうした感情が渦巻いているのに、それをどう表現していいかわからない。


あるいは、表現したくても、誰も聞いてくれる人がいない。


そんな時、自傷行為は「言葉の代わり」になるのです。




2.低い自己肯定感と孤独感



「自分は生きている価値がない」


「自分の話なんて誰も聞いてくれない」


「どうせ大人は忙しい」



そんな思いを抱えていることも少なくありません。


育ちの中で十分に愛されなかった、認められなかった経験が、低い自己肯定感につながり、「自分なんて」という気持ちを生み出します。


そして、過去に「助けて」と声を上げたのに、無視されたり、叱られたり、かえって傷ついた経験があると、「もう誰にも言えない」と心を閉ざしてしまうのです。




3.自傷による一時的な「癒し」


不思議に思われるかもしれませんが、自傷行為をすると、一時的に心が「落ち着く」「楽になる」という感覚があります。


ある生徒は「うっすら流れる血を見たら、癒されちゃった」と語っています。


これは、自傷行為によって脳内で痛みを和らげる物質が分泌されるためだと考えられています。



しかし、この「癒し」は一時的なもので、時間が経つとまた苦しみが戻ってきます。


そして、次第に自傷の効果が薄れていき、より頻繁に、より深く傷つけるようになってしまうこともあります。


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自傷行為には段階があります。


最初は「自分をコントロールするための自傷」ですが、効果が減弱すると「周囲をコントロールするための自傷」に変わり、最終的には「自分も周囲もコントロールできなくなり、過量服薬や自殺企図」に至る危険性もあるのです。


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ここまで読んで、あなたはどう感じましたか?



「やっぱり自分はおかしいんだ」と思ったでしょうか。


いいえ、違います。



自傷行為は、あなたが「弱い」からではありません。


むしろ、それはあなたが「強い」証拠です。




考えてみてください。


言葉にならない苦しみを、誰にも助けを求められない孤独の中で、それでもなんとか一人で対処しようとしてきた。


それは、どれほど大変なことだったでしょうか。




心理学の世界では、「もっとも自傷的なことは、誰にも辛い気持ちを言わないこと」だと言われることがあります。


あなたは、その最も辛い状況の中で、それでも生き延びようとしてきたのです。


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ある心理士さんは、自傷行為をしてきた人にこう言うそうです。



「よくご参加いただきました。そして、よくここまで生き延びてこられましたね。恐らくとても孤独で辛かったでしょう」と。



だから、自傷してしまった自分を責める必要はありません。


「また切ってしまった」と自己嫌悪に陥る必要もありません。



あなたは、できる限りのことをして、今日まで生き延びてきたのです。


それだけで、十分です。


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とはいえ、自傷行為は体に傷を残しますし、エスカレートすると危険です。


できることなら、少しずつ、他の方法で辛い気持ちに対処できるようになるといいですね。



でも、焦る必要はありません。


「今日からもう絶対に切らない!」と決める必要もありません。



少しずつ、自傷行為の「間があいていく」ことを目指せばいいのです。




自傷に代わる対処スキル


自傷行為に代わる方法として、以下のような方法が提案されています



1. 呼吸法7秒間鼻から息を吸い、1秒間息を止めて、7秒間かけて口から吐く。


これを繰り返すと、自律神経が整い、気持ちが落ち着いてきます。



2. 氷を握る自傷したくなったら、氷を握りしめてみましょう。


冷たい刺激が脳に伝わり、自傷衝動を和らげることがあります。



3. 赤ペンで腕に書く切る代わりに、赤ペンで腕に線を引いてみる。


「傷つける」という行為の代替になります。



4. ランニングや運動体を動かす。


ストレスホルモンが減少し、気分が改善されます。




これらの方法は、すべての人に効果があるわけではありません。


でも、試してみる価値はあります。


そして、もし自傷してしまったとしても、それは「失敗」ではありません


正直に記録して、「どんな時に自傷したくなるのか」を知ることが大切なのです。


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記録をつけて自分を理解することも大切なのです。



「どんな時に」「何があって」「自傷したくなったのか」を記録してみましょう。


すると、自分の「パターン」が見えてきます。



「親と喧嘩した時」


「テストで悪い点を取った時」


「一人でいる夜」



そうしたトリガーがわかれば、対処もしやすくなります。



そして、「自傷したくなったけど、しなくてすんだ時」も記録してください


それは、あなたが自分で自分を守れた瞬間です。


その「例外」から、自傷を回避するヒントが見つかるかもしれません。




自傷行為から抜け出すための、もう一つの大切なステップがあります。


それは、辛い気持ちを、言葉にして人に伝える力を育てることです。


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先ほども書いたように、「誰にも辛い気持ちを言わないこと」が、最も自傷的な行為です。


逆に言えば、


「辛い」


「苦しい」


「助けて」


と言えるようになることが、本当の意味での回復につながります。



1.安心できる人に話してみる


もし、あなたの周りに「この人になら話せるかも」と思える人がいたら、少しずつでいいので、気持ちを話してみてください。


友達、家族、学校の先生、カウンセラー、誰でもいいのです。



「でも、親に言ったら怒られる」


「先生に言ったら大げさにされる



そんな不安があるかもしれません。


それなら、まずは「どんな反応をされるのが怖いのか」を考えてみましょう。


そして、信頼できる大人と一緒に、「どう伝えるか」を考えることもできます。



2.専門家の力を借りる


学校のスクールカウンセラー、心療内科・精神科のクリニック、教育相談機関など、専門家の力を借りることも大切です。


自傷行為の背景には、うつ病、不安症、トラウマ、発達障害などが隠れていることもあります。専門家は、あなたの苦しみを理解し、適切な支援を提供してくれます。



「カウンセリングに行くなんて、弱い人間だ」と思う必要はありません。


それは、自分を大切にする、勇気ある行動です。


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最後に、もう一度お伝えします。



自傷行為は、あなたが「おかしい」からではなく、「苦しい」からです。



そして、その苦しみは、あなた一人で抱え込む必要はありません。


いずれは、自傷ではなく、言葉で辛い気持ちを伝えられるようになる。


そんな未来を、一緒に目指していきませんか。


焦らず、少しずつ、あなたのペースで。




私は心理カウンセラーとして、自傷行為で苦しんでいる方々のお手伝いもしています。



もし


「話を聞いてほしい」


「どうしたらいいかわからない」


と感じたら、ご相談ください。



あなたの苦しみを、一緒に少しずつ軽くしていきましょう。



初回限定ワンコインカウンセリングの申し込みは公式LINEからどうぞ。


強引な勧誘などは一切ありません。



※未成年の方で保護者の同意がない場合、当カウンセリングでのカウンセリングはお断りしています。


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そして、周りに自傷行為をしている人がいる方へ。


どうか、「気をひきたいだけ」「死ぬ気もないくせに」といった言葉で、その人を傷つけないでください。


自傷行為は、その人が必死に生きようとしている証です。





とはいえ周りの人も困惑する場面はあると思います。


自傷行為をしている人の周りの人向けの記事はまた書きたいと思います。




【相談できるところ】

  • 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」:0570-064-556

  • よりそいホットライン:0120-279-338

  • いのちの電話:0570-783-556


※上記の通話は基本的に混んでいます。「すぐにつながる!」と期待し過ぎると余計に辛い気持ちになる事もあるので、焦らず他のことをしながらでもいいのでゆっくり待てるとよいかもしれません。

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