うつ病って結局どういう状態?
- 斎藤きよみ
- 6月11日
- 読了時間: 6分
こんにちは。
心理カウンセラーの斎藤きよみです。
最近はアニメにハマっています。
遠隔で回復魔法を使えるようになりたいです。
さて、今回は"うつ病って結局どういう状態?"というテーマについて説明していきたいと思います。
目次

この記事を読む前に
今回の記事では「うつ病」を取り扱います。
私は心理カウンセラーであって、お医者さんではありません。
うつ病やうつ状態の診断は医療機関でしか出来ない事です。
つまり、この記事を読んで「私はうつ病だと診断されたのだ!」と考えることは間違っているということは理解してください。
この記事を読んで、
「うつ病っていわれたけどこういうことなんだ」
「うつ病なのかなって思ってたけど少し当てはまるかも?」
くらいの感覚で読んでいただけたらと思います。
さて、本題に入っていきましょう。
”うつ病って結局どういう状態?”について書こうと思ったきっかけ
カウンセリングをしていてこんな方々がよくいます。
うつ病と診断されたけど、「私は元気だ!」と見ないふりをしている方
うつ状態と診断されたけど、「うつって何??」状態の方
診断を受けずに、自分でうつ病だと信じ込んでいる方

これらの状態はあまり良くないと私は感じています。
なぜ良くないのか。
それは、カウンセリングにおける「心理教育」というものが足りていないからです。
「心理教育」とは、相談者さんが必要な知識を得られるようにカウンセラーや医療機関が適切な情報を伝えることです。
診断したお医者さんが「心理教育」をしてくださるケースもあれば、診断書をもらうので精一杯でお医者さんとお話が出来ていないケースもあります。
今回の記事では、出来るだけ分かりやすく伝えられるように書いているので、少し違和感がある部分もあるかもしれませんが、みなさんのお役に立てるように書いていきます。

まずはうつチェックしてみよう
悲しい気持ちが1日中ずっと続いている
睡眠や食事など、生活が崩れている
生きていく意味が分からない
なんか身体が重い
上記のような状態はほんの一部です。
以下のリンクでは、厚生労働省が出している「簡易的な抑うつ症状のチェック」を無料で行なうことができます。
チェックをつけていくだけなので、そんなに難しくないと思います。
気になる方はチェックをしてみてください。
ただ、これは「チェック」であって「診断」ではありません。
「診断」を求める方は医療機関で相談をしてください。
うつ病って身体の何がどうなってるの?
うつ病は「脳の病気」と考えられている説が代表的です。
まず、脳の仕組みについてお話させてください。
うつ病に関する脳の主な部分は下のイラストの水色の部分、”前頭葉(ぜんとうよう)”という部分になります。

”前頭葉”の機能は、考えたり、判断したりします。
他にも、集中力や気分のコントロールなど幅広いので、”前頭葉”が働いていないと仕事や勉強に大きな影響が出てきます。
次に、うつ病だと、この”前頭葉”の中で何が起こっているのか。というお話です。
最初に以下の図でなんとなくイメージを掴んでみて下さい。

上の図は、健常者とうつ病の方の違いです。
(※わかりやすい図にしています)
「セロトニン」は聞いたこともある方が多いのではないかなと思いますが、改めて書いておきます。
「セロトニン」とは、神経伝達物質の1つで、分泌されると幸せな気分になったり、脳の興奮を抑えてリラックスさせる効果のあるものです。
うつ病のシナプスの様に、「セロトニン」が少なくなると、怒ったり、不安になったり、怖くなったりというストレスを感じやすくなります。
ちなみに、健常者とうつ病の方の違いでは「セロトニン」だけでなく他にも様々な神経伝達物質の取り込みが阻害されることがあります。

つまり、脳の”前頭葉”の中で、神経伝達物質が上手に伝達されていないことが、うつ病の仕組みということです。
うつ病のありがちな症状
①ひどく憂鬱な気分になる
気分だけの問題が、強く、長く続くのがうつ病と、憂鬱な気分の違いとしてあります。
以下の表は症状の一部です。

普通の状態では考えられないほどに、状況を悲観したりもします。
そして追い詰められたように感じることも特徴の一つです。
②悲しみだけでなく、空しさが混じる
「なにかやらなければ」と思ってイライラする
「なにもおもしろくない」と意欲が喪失する
「自分なんて」と、悲しみが大きくなり自分を過小評価する
喜びも悲しみも感じなくなり空しさが混じる
「何をやってもムダだ」と感じ始める
初期の頃は「なにかしなきゃ」という気持ちが大きく、焦りもあってイライラすることが多いように感じます。
その焦りが空回りして、楽しい事も楽しいと感じなくなり、悲しい事も悲しいと思わなくなると、「何をしてもダメなんだ」という空しさが顔を出すことがあります。

③自分を必要以上にせめて思考が停止する
現実で起きていることをそのまま受け止めることができないということがあります。
特に「私は病気じゃない」「俺がうつ病なんかになるわけがない」という風に、自ら回復の道を閉ざしてしまう人も多くいます。
あまりにも自分を責めているなぁと客観的に見て感じる時には「これって症状かも?」と疑うことも一つの手だと思います。
自分を責め続け、思考が停止した結果「死ぬしかない」という結論に辿り着いてしまうこともあるのです。
この時の絶望感はとても大きいものです。
そうなる前に、専門機関への相談に勇気を出して踏み出してみて下さい。

④体の調子が崩れてくる
寝つきが悪い、寝ても途中で目覚める
手足がしびれる
息がしづらい
のどに何かが詰まっているように感じる
食欲がわかない、逆に食べ過ぎる
体に痛みが生じる
月経が不順になる
このように、心より先に体に症状が出ることもあります。
多くの場合は一つの症状が長く続くというよりは、複数の症状が段々と出てきます。
うつ病がよくなるまでのステップ
所説ありますが、大きく分けると以下の3段階のステップに分かれます。

ここであえて「急性期は目安で3カ月」などと記載していないのは、個人によって回復までの目安は異なるからです。
まずは「焦らない事」が最も重要になってきます。
「本では3カ月で良くなるって書いてあったのに私は全然良くならない…」と落ち込む方が心が重くなります。
そして上の図も正しいとは限りません。
「再発」ということもあり得るからです。
回復期で最も多く見られるのが、エネルギーが膨らんできて、気分が上がってきたと思ったら、再発によって急性期に戻ってしまうことです。
再発を防ぐためには焦らない事がとても大事です。

おわりに
今回は”うつって結局どういう状態?”ということをテーマに書いてきました。
少し難しいお話が多くなってしまって申し訳ございません。
家族や友人にうつ病の方がいる方にもお役に立てる記事に出来たらと思い、情報量が多くなってしまいました。
「確かに診断されたけどよく分かってない!」
「やっぱり心理教育受けた方がいいのか…?」
「カウンセリングに興味がある」
という方は、以下の公式LINEからお問合せ下さい。
「家族・友人にうつ病の方がいる方向けの記事」についてはまた今度書きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



コメント