カウンセラーの受け身術
- 斎藤きよみ
- 6月4日
- 読了時間: 8分
こんにちは。
心理カウンセラーの斎藤きよみです。
最近は飼っているひよこがすくすく育っていて嬉しい限りです。
さて、今回は"カウンセラーの受け身術"というちょっと不思議なテーマについて説明していきたいと思います。

目次
この記事を読む前に
今回の記事では「カウンセラー」の仕事についてを書いていきます。
「カウンセラー」と一言で言っても、様々な方がいらっしゃいます。
今回みなさんにお伝えするのは、あくまで”私の”カウンセラーとしての心の守り方です。
私が行なっているからといって全てのカウンセラーの方々が行なっているとは思いませんし、様々な守り方があることは頭に入れながら読んでいただけたらと思います。
また、この記事では「心の守り方」のことを”受け身術”と表現しています。

この受け身術はカウンセラーに限ったことではありません。
今、記事を読んでくださっているあなたも知っていて損はないと思ったので、書きたいと思いました。
さて、本題に入っていきましょう。
”カウンセラーの受け身術”について書こうと思ったきっかけ
今までカウンセリングをしてきた中で「カウンセラーになりたい」という方々が何人かいらっしゃいました。
同じ職を目指している方がいるというのはとっても嬉しい事です。
ですが、同時に先に伝えておきたいことがあると思ってこの記事を書こうと思いました。
また、こんな方々にもお役に立てるのではないかなと思っています。
「カウンセラーじゃないけどプライベートや仕事でよく人の話を聴くんだよね」
「聞き役になることが多くて疲れる」
「しんどい話を聴くと心がズシンと重くなる」
頼りにされているあなただからこそ、自分の心を守ることも大切ですよね。

カウンセラーはなんで心を守らなきゃいけないの?
人の悩みを聞く仕事だから
時には命に関わるお話が出てくるから
カウンセラーの心が乱れていると相談者さんにそれが伝わるから
冷静さが求められるから
心を守っていないと境界線が曖昧になるから
上記のような理由はほんの一部です。
私はカウンセラーとして相談者さんの悩みに立ち向かう時、必ず心を整えるようにしています。
「心を守る」というと、なんだか相談者さんが攻撃しているようなニュアンスに捉える方もいらっしゃるかもしれません。
相談者さんは決してカウンセラーを攻撃してやろう!と思って話していないことは分かっています。
ただ、攻撃ではなくて、心の深い部分を聴かせていただいているのだから、相談者さんの心の揺れは大きくなることが多々あります。
相談者さんの感情の揺れに一緒になってカウンセラーも感情が揺れてしまっては、一緒に台風の中でボロボロの船に乗って「日本から出ようぜ!」と言っているようなものなのです。

タイトルに沿って例えるのであれば、そもそも道場を見たこともないのに「柔道で日本一になろうぜ!」と言っているのと同じです。
だからこそ、基本の基本である「受け身の取り方」について、まずは知ってほしいと感じてこの記事を書いています。
カウンセラー以外でも心を守らないといけない?
結論の前に、ひとつ問題を出させてください。
こんな場面、ありませんか?

______________________________________
今日は金曜日で、明日は休みです。
終業直前、同僚から一通のLINEが届きました。
同僚「聞いてほしいことあるからこの後飲みに行かない?」
あなた「珍しいな!OK!(飲みに行くのなんて久々だなぁ~!)」
仕事を終え、居酒屋に到着。
同僚「なぁ聞いてくれよ。」
あなた「どしたん」
同僚「上司が俺のこと無視したり、仕事くれなかったり、散々なんだよ。」
あなた「まじ?そんな状態になってんのかよ…」
同僚「まじまじ。しかも家に帰っても嫁が子どもに泣き叫びながら怒っててさ…」
あなた「家でも大変なのか…お前、大丈夫か?」
同僚「まぁなんとかな…」
家に帰ってきてあなた一人でソファに座った瞬間。
あなた「はぁぁぁぁぁ(疲れた…)」
あなたは気付くと重力に負けるかのように、ソファに倒れ込むように横になっていました。
______________________________________

さて、問題です。
あなたは受け身を取れていたでしょうか。
同僚から「聞いてほしい事がある」と言われた時点で受け身は取れていたでしょうか。
同僚が自分の家庭の辛さまで話し始めた時に受け身の準備はしたでしょうか。
家に帰ってきて、自分を癒すということはしたでしょうか。
この情報だけだと判断がつかないかもしれませんが、少なくとも上記の文章の中に、受け身の要素は出てきていませんでした。
解答としては、受け身はとれていません。

では、あなたはどうすればよかったのか。
ポイントごとに解説していきます。
カウンセラーの受け術のポイント3つ
元の文章を参照しながら解説していきます。
______________________________________
今日は金曜日で、明日は休みです。
終業直前、同僚から一通のLINEが届きました。
同僚「聞いてほしいことあるからこの後飲みに行かない?」
あなた「珍しいな!OK!(飲みに行くのなんて久々だなぁ~!)」
★ポイント1”予防”「聞いてほしい事がある」という言葉を受け止める必要があった
仕事を終え、居酒屋に到着。
同僚「なぁ聞いてくれよ。」
あなた「どしたん」
同僚「上司が俺のこと無視したり、仕事くれなかったり、散々なんだよ。」
あなた「まじ?そんな状態になってんのかよ…」
★ポイント2”把握”深刻な話になりそうなら少し客観的になって自分の感情を確認する必要があった
同僚「まじまじ。しかも家に帰っても嫁が子どもに泣き叫びながら怒っててさ…」
あなた「家でも大変なのか…お前、大丈夫か?」
同僚「まぁなんとかな…」
家に帰ってきてあなた一人でソファに座った瞬間。
あなた「はぁぁぁぁぁ(疲れた…)」
★ポイント3”対処”疲れた心を癒す必要があった
あなたは気付くと重力に負けるかのように、ソファに倒れ込むように横になっていました。
______________________________________
それぞれのポイントについて詳しく書いていきます。
★ポイント1”予防”「聞いてほしい事がある」という言葉を受け止める必要があった
同僚が珍しく飲みに誘ってきた
聞いてほしい事があると言っている
という点から、受け身の準備は始めるべきです。
ただ、ここで「あんなことかな?」「こんなことかな?」と予想を立てすぎると、想定外の話が出てきた時に慌ててしまうこともあります。
だから、予防の段階では、「聞いてほしい事がある」という言葉の意図があるのだろうなぁと、心の中で受け止めるだけで良いのです。
心の中で受け止めるだけで、想定外の話が来た時の受け身にもなります。
★ポイント2”把握”深刻な話になりそうなら少し客観的になって自分の感情を確認する必要があった
文章上では、ポイント2の場面あたりから、あなたの感情が一緒にダウンしていっている可能性が高いと感じます。
この場面では「あっ、深刻な話になりそうだから少し心の距離をとって何が来ても受け身を取れるようにしておこう」という態勢を取っておくとよいです。
さらに、少し心の距離を取ることによって、自分が今どのような感情なのか観察することが出来ます。

「あっ、今俺一緒に悲しい気持ちになっているぞ」
「そうか、今同僚の辛さの海に飲み込まれている感じがするなぁ」
こんな感じで、今の自分の感情を確認するだけでも、受け身はとれています。
最も重要なのは、話にのめり込むのではなく、少し心の距離をとることです。
「そんなの冷たい人間じゃないか!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、相手のことを思いすぎて一緒に海に溺れる人はもっと冷たいと私は思います。
★ポイント3”対処”疲れた心を癒す必要があった
あなたは気付くと重力に負けるかのように、ソファに倒れ込むように横になっていました。
この場面では疲れた心を癒さなかったことによる反動が現れているように思います。
では、癒すって何をすればいいのか。
これは私自身も行なっている方法をご紹介したいと思います。
カウンセリングで疲れた時には、どんなに忙しくても必ず行なっている方法です。
あまりにも疲れた時って、自分に「頑張ったね」と言ってあげたり、美味しいものを食べるだけではどうしようもないこともあると思います。
そんな時に使っていただけたらいいなと思う方法です。
「バタフライハグ」というものです。

①、②は準備です。
③を2分間行なってください。
2分間出来たら深呼吸をします。
少しリラックスできたり、人によっては涙が出てくる方もいるかと思います。
私はこのバタフライハグが一番手軽でリラックスできるので、よく使っています。
もしよければ、疲れた時に使ってみて下さいね。
おわりに
今回は”カウンセラーの受け身術”ということをテーマに書いてきました。
カウンセラーではない方々にもお役に立てたら嬉しいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
もしも一人では難しかったり、
もう少し詳しく知りたい!という方は初回ワンコインでカウンセリングをしているのでお気軽にお問合せ下さい。



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